ヤチホコの神の歌3

前回につづき日本神話入門(岩波ジュニア新書)から
ヤチホコの神の歌
ヤチホコの神というのはオオクニヌシの命の別名なのね。
この神樣なぜか5つも名前があって
その上181人も子供がいたというからあきれますね。
ここまでくると怒る気がしない。

ぬばたまの 黒き御衣を
まつぶさに とり装ひ
沖つ鳥 胸見る時(海鳥がポーズをとるように)
はたたぎも これは相応はず(かっこうつけてもこれは似合わない)
辺つ波 そに脱ぎ棄て
翠鳥の 青き御衣を
まつぶさに とり装ひ
沖つ鳥 胸見る時
はたたぎも こも相応はず(かっこうつけてもどうも似合わぬ)
辺つ波 そこ脱ぎ棄て
山方に求し 茜つき
染木が汁に 染衣を
まつぶさに とり装ひ
沖つ鳥 胸見る時
はたたぎも こしよろし(かっこうつけてみれば今度はよろしい)
いとこやの 妹の命(いとしい妻よ)
群鳥の 我が群れ往なば(群れ鳥が飛び立つように
引け鳥の 我が引け往なば(我等がいちどに往ってしまったなら)
泣かじとは 汝はいふとも(泣かないとそなたは言っても)
山処の 一本薄(麓に生えるすすきそのままに)
頂傾し 汝が泣かさまく(うなだれてそなたは泣くのだろう)
朝雨の 霧に立たむぞ(涙が霧となるであろう)
若草の 妻の命(若草の妻よ)

事の 語り言も 是をば 


「ぬばたま」は黒にかかる枕詞
ぬばたまっていう言葉はひっかかるなあ。
うばたまとはちがうのかな。


奥さんを泣かせて
すったもんだの末
赤い衣装がしっくりきたヤチホコの神はどこへ行こうというのか。
いつの世も男と女はこんなんかな!?

正妻だってことになっているっていうか自分でそういっているスセリヒメはもちろんだろうが、
ヌナカワのほうはどうなんだろう。
やっぱり往ってしまうヤチホコの神に涙するんだろうな。

罪作りな神樣じゃ。

罪は償わなければならないもの。
一生をかけて女性に尽くしたまえ。

この神樣は女性ばかりではなくこの世のすべてに尽くしておられるありがたい神樣なのです。