オオカミさんは大神さん

日本オオカミが出てくる昔話では、オオカミさんはとても威厳があってカッコイイです。

狼の語源は「大神」だと言われています。
日本書紀』では「かしこし神」『万葉集』では「大口の真神」などと記されていますし、また、狼を祭っている三峰神社が現在も「大口真神」というお札を出していることは有名です。
狼を「ヤマイヌ」「オイヌサマ」などとよんで、山の神の使いとしての霊獣であると考えていたことは、「狼のまゆげ」「狼報恩」などの昔話にもあらわれています。
「狼のまゆげ」は、食うに困った男がみずから狼に食い殺されようとしますが、かえって狼から真人間を見分けることができる「狼のまゆげ」をもらい、幸せをつかむお話です。
「狼報恩」は、トゲがささって苦しんでいる狼を助けたところ、猪やきじ、うさぎなどを持ってきたとか、同じ山道を通ると狼が家まで送ってくれたなどの恩返しをしたというもの。
また、狼はお産に関係した信仰を持っていたとも言われています。狼が子供を産むと村人が赤飯などを狼の巣に持って行く習俗などが一例です。反対に人間のお産を狼が見舞いにくる「狼の産見舞い」というお話もあり、狼とお産との関係がうかがえます。
狼が人間にとって害獣となったのは、耕地が拡大したり、山中の交通が頻繁になるなど、生活圏がかくだいされてからです。狼にすれば、やむをえず田畑や住居に近づくようになったのでしょう。しだいに狼に対する信仰はうすれ、むしろ怖い存在になっていったようです。
山中で旅人を集団で襲う「鍛冶屋の婆」の話は、狼への恐れをうつしているようです。
明治時代に大規模な狼刈りがおこなわれ、明治中期にはニホンオオカミは絶滅したと言われています。

ガイドブック「日本の民話」講談社より

日本狼がもうどこにもいないなんてとっても残念なnunakawaです。
でも、DNAは生きていますよね。
どこかで出会ったらいっしょに暮らしたいなあ。

これがnunakawaとオオカミさんの出会いです。