大国主が好きな理由

古事記に出てくる神様を名前だけ挙げてみます。
参考にさせていただいた本は、中西進著『キリストと大国主』、岩波ジュニア新書「日本神話入門『古事記』を読む」

「日本神話入門『古事記』を読む」の
読み下し文によると

天地初めて発けし時、高天の原に成れる神の名は、アメノミナカヌシの神。次にタカミムスヒの神。次にカミムスヒの神。この三柱の神は、皆ひとり神と成りまして、身を隠したまいき。


ウマシアシカビヒコジ
アメノトコタチ
クニノトコタチ
トヨクモノ
と次々に神が現れては姿を消していく。
そして
ウイジニ
スヒジニ
イクグイ
オオトノジ
オオトノベ
オモダル
アヤカシコネ
そして

イザナギ
イザナミと続く。
ここで男女の神樣が登場する。
ここで、ドラマがありますがとばしていきます

そのあとアマテラス
ツクヨミ
タケハヤスサノオ
と続きます。
ここでもたくさんドラマがあって、
そして次いっちゃいまして
オオクニヌシスサノオの5代目の子孫ということになっているのが、神話のフシギ。
だれかが改ざんしたとか、
そのあたりは理解不能なので考えないことにしました。

で、オオクニヌシの神。

またの名はオオナムジの神といひ、またの名はアシハラシコオの神といひ、またの名はヤチホコの神といひ、またの名はウツシクニダマの神といひ、あわせて五つの名あり。


因幡のシロうさぎのお話でうさぎを助け
出雲の国でヤガミヒメと結婚
八十神に殺され生き返り
根の国に行ってスサノオの娘スセリヒメと恋仲になりスサノオの攻撃をスセリヒメに助けられてかわし逃げ延びる。
八十神との確執を乗り越えスクナビコナという小さい神の助けを借りて国づくりを成す。
そこまでは英雄が王になるまでの伝説的物語であり語りつくされてきたお話です。

わたしが面白いと思ったところはこれから出てくるうたのところ。
ヤチホコの神の歌(神語りと呼ばれる演劇のようなもの)狂言、今で言うなら歌舞伎でしょうか!?たぶん路上か広場か祭りの中で演じられたものではないだろうか。
私的には理想の形である妻問う歌からはじまる4部作です。

ヤチホコ の神の命は
八島国 妻枕きかねて
遠々し 高志の国に
賢し女を 有りと聞かして
麗し女を 有りと聞こして
さ婚ひに あり立たし
婚ひに あり通はせ
太刀が緒も いまだ解かずて
襲をも いまだ解かねば
嬢子の 寝すや板戸を
押そぶらひ 我が立たせれば
引こづらひ 我が立たせれば
青山に 鵺は鳴きぬ
さ野つ鳥 雉は響む
庭つ鳥 鶏は鳴く
うれたくも 鳴くなる鳥か
この鳥も 打ち止めこせね
いしたふや 海人馳使

事の 語り言も 是をば

訳したりしないでそのまんま読むといいと思います。
なんとなく感じがつかめる気がしませんか!?
オオクニヌシという神樣はヘタレていてよいですね。
大好きになりました。

昔話やおとぎ話はおばあさんがこどもに語って聞かせるというシチュエーションが似合います。その時子供に有害か無害かなんて考えていないですよね。
お話は面白くなくてはつまらない。
時に残酷な現実をつきつけられたりもするけど心が壊れたりしません。かえって逞しさを磨くし、生きる為の知恵をもらえる。